ベトナム
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ベトナム 障害者の就労・職業訓練

MOLISAが実施した障害条例実施調査によれば、障害者全体の約21%は仕事をすることが可能となっている。就労可能な障害者のうち62%は収入を得るために何らかの経済活動をしており、その多くが農業に従事している。また多くの障害者は、障害と能力に限界を抱えているため、不安定で低収入しか得ることができず、生活費を稼ぐことが難しい。結果として、彼らの生活と彼らの家族は多大な困難に直面している。およそ80%の都市に住む障害者および70%の地方に住む障害者は、家族や親類もしくは社会手当に依存している。自立生活を営める障害者はわずか11%である(NCCD 2010:9)。また全国56都市256ヶ所で職業訓練を実施されているが(78ヶ所は民間)、受けている人は全障害者の12.1%にすぎない(NCCD 2010:23)。

寺本(2010:123)によれば、ベトナムの障害者は約58%が何かしらの仕事(収入に結びつかない農作業なども含む)に就いているが、約30%は安定した仕事を持っていない。

JICAの「国別障害関連情報・ヴェエトナム社会主義共和国」の労働・傷病兵・社会問題省(MOLISA: Ministry of Labor, War Invalids and Social Affairs)の1994-1995年調査によれば、ベトナムの障害者で専門的な職業に就いていない人は、都市部で93.04%、農村部で98.35%となっており、大多数の障害者は専門職を持っていない。一方で、障害者のための福祉工場がベトナムには約400存在し、各工場で100~250名の障害者を雇用している。職業訓練センターとして、全国に116の社会保護センター、72の特別職業学校、16の養護職業訓練センターが設置されている。ベトナムでは、全ての企業に対し業種毎に障害者を雇用すべき割合を定めていおり、例えば、電気エネルギー、化学、石油、鉱山、建設、輸送などでは2%、その他は3%となっている。しかし実際にはそれ程障害者は雇用されていない。

和泉徹彦の「ベトナムの社会保障」によれば、障害者は雇用保障として労働災害の給付を受けることができる。例えば、労働能力喪失率が5~30%の場合、4~12ヶ月の最低賃金にあたる一時金が支給される。また労働能力喪失率が31~100%の場合、最低賃金の0.4~1.6ヶ月分の給与が毎月支払われる。労働能力喪失率が81%以上で、脊髄損傷、全盲、両腕または両足の喪失等の場合、ヘルパーをつける費用として最低賃金の80%が毎月補助される。さらに四肢等損傷した人には技師装具、補助機器などが供与される。